３月１０日

１９４５年３月１０日
日付が変わって直ぐの頃
東京下町は炎に包まれました
そう３月１０日の東京大空襲です

その頃　母と直ぐ下の弟は宮城県へ縁故疎開してました
祖父・祖母・母の妹・一番下の弟は東京深川に住んでました
そしてこの空襲で祖父と母の妹が亡くなってます
祖母と一番下の弟は逃げ惑う中　祖父と離れ離れになったようです
祖父達は遺体も見つからなかったと聞いてます

父方の祖父も私が生まれる前に亡くなっているので私は「おじいちゃん」を知らずに育ちました
母をとても可愛がっていたという祖父
生きていたらきっと私の事も愛してくれたでしょうね
物心付いてから３月１０日は私にとって特別な日
かならず祖父の事を思っていたのに
ある年すっかり忘れてしまった事があって
夜中にふと目を覚ますと・・・
枕元に男の人が座ってました
シルエットだけなのに哀しそうなのが伝わってきて
あっ！３月１０日だ
『ごめんなさい　おじいちゃん』と心に思い浮かべたら
何も怖いことは無くまた眠りに入ることが出来ました

そして２００４年の３月１０日
どうしてもどうしても心がせいて
何がナンだか判らないけどドキドキと哀しくて
次兄の家へ急いだら一人ぼっちで居る兄を・・・
きっとおじいちゃんが『早く会いに行きなさい』と教えてくれたのですね
だから私の中では３月１０日が兄の命日です
そしておじいちゃんに感謝の日なんです